仕事帰りの電車の中で、スマホに「母の日」と打ったら、予測変換の一番上に「まだ間に合う」と出てきた。去年も同じことをしたんだと思う。毎年これをやっている。ギリギリになって焦って、3000円台のものをあわてて選ぶそのサイクルを、もうスマホ自身が覚えていた。
果物を贈ることへの、根拠のない後ろめたさ
山形の佐藤錦さくらんぼ、2980円、加温ハウス栽培の秀品、化粧箱入りで24粒。257件のレビューが星4.11。数字だけ見れば十分すぎる。でも「さくらんぼ」と打ち込んでいる自分に、なんとなく後ろめたさがある。「私なりに考えました」という痕跡が、見えにくい気がして。その感覚に合理的な根拠は一個もない。
「枯れない」の3文字が、じわじわ効いてきた
プリザーブドフラワーに動物の置物がセットになったもの、2998円、星4.37で1052件。「枯れない花」を前は造花っぽいと思って素通りしていた。でも去年、母がもらった胡蝶蘭が2週間で枯れて、残念そうにしていたのを思い出した。水替え、日当たり、それでも枯れる——その心配がまるごとなくなるのは、思ったよりずっと優しい選択肢かもしれない。
花+お菓子のセットが、心の隙間を正確に突いてくる
カーネーション鉢植えに銀座千疋屋のバウムクーヘンがついて3773円。1906件のレビューで星4.25って、もはや実績と呼んでいい数字だ。「花だけでも寂しい、お菓子だけでも物足りない」という感覚、ありますよね。両方あることで、なぜか気持ちが「見える」ようになる。説明できないけど、なんかそういうもんだと思う。気になる人はここで確認できる。
迷った末に「全部揃ってる」を選んだ
結局ポチったのは、12色から選べるカーネーション鉢植え、2980円。送料無料、メッセージカード付き、907件の星4.24。「全部揃ってる」という事実が、逆に自分のことを少しさみしくさせた。急いでいるとき、道具が先回りして整えてくれる。我ながら謎の感情だった。
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今年の「まだ間に合う」は、ちゃんと間に合った。来年はもう少し早く気づきたいと思いながら、たぶん同じことをする。


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